死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。

★𓂃 𓈒𓏸◌‬

 あれは、僕がたまたま病院に来ていたから助けることが出来た。

 美來が自殺未遂をした。

 僕が、危機一髪手を掴んだからよかったものの、これ以上彼女がこんなことになってほしくない。
 これ以上、誰もいなくなって欲しくない。
 余命があるとしても、自分から命を捨てないでくれ、お願いだから。

 あの後、かけつけた医師、看護師、美來の親御さんによって美來は病室へと戻された。

 なんとか、お互い無傷で済んだ。

「貴方が、光野星惟くん?」
「はい」
「ありがとう、美來を助けてくれて...」

 美來の親御さんに会った。
 目は真っ赤になっていて、美來がどれだけ愛されているかがひしひしと伝わる。

 本当に、助けれて良かった。

「いえいえ。あの、美來さんは...」

 助けても、目を覚まさなければ意味が無い。
 大丈夫、だよな...

「今起きたわ。ぜひ、行ってあげて」

 よかっ、た...

「はい。ありがとうございます」

 走ってはいけないけれど、僕は美來の病室まで必死に走った。