死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 私、星惟くんが好き。

 余命1年でも、私の気持ちは我慢なんかさせてくれなかった。

 小学生の時の知識だとしても、私、恋は知ってる。
 愛菜ちゃんにも、少しだけ高校生相応のものは教えてもらった。

 だから私はもう、小さい子じゃない。

 自分から死のうとして何言ってんの、って思われるかもしれないけど、私、星惟くんと離れたくない。

 ハツコイ、だよね。私。

「星惟くん...」
「美來...」

 名前を呼んで、でもそれ以上何も出てこなかった。
 お互い。

 これから、私...

「ッ...」

 何を言えばいいんだろう。

 星惟、くん...