死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。



 ピピッ ピピッ

 機械の音で目が覚めた。

「ン...」

 私、生きてる...?なんで...?

 目の前にいるのは、愛菜ちゃんと、お母さんと、お父さん...?

「美來!」

 お母さんの声がした途端、私は息が出来なくなるくらいキツくギューッとされた。

「お母、さん...」
「美來のばか。なんで自分から...」
「...」
「美來、なんでそんなことするんだよ...間一髪だったんだからな」
「...」

 だっ、だって...
 私、私...

「退院出来なくても、元気なれなくても、お願いだからこのような真似はしないで」

 また強くギューッとされて、ああ、私、とんだ親不孝をしたんだなって、思う。
 死にたいよ、死にたい、けど、でも...

「星惟くんにお礼、言いなさいね。あの子が助けてくれたんだから」

 星惟くん、が...?

「美來にも、友達が出来たのね」
「友...達...」

 星惟くんと私って、友達なの?

 友達じゃヤダ。ヤダよ。

 でも、私はこれ以上、求めたら駄目、だよね。

「あらあら。星惟くんと星那ちゃん、来てくれてるから変わるわね」