死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


「ゥ゛ぅ゛ぅぅ...」

 1人屋上で泣いていた。

 人生最後、かもしれなかったのに。
 いつでも病気は私の邪魔をする。だから、期待しちゃいけないって学んでたのに、私はまた失敗した。

 星惟くんに出会って、ばかみたいに「やりたいことリスト」も作っていた。
 それだけ浮かれていた。

 期待なんか、しちゃだめ。

 私は感情を殺してずっと1人で生きるんだ。

 星惟くんのせいだよ...ひどいよ...私は恋なんかしちゃいけないし、期待もしちゃいけないのに。

「退院したかった...」

 約束、破っちゃった...
 星惟くんとお出掛けしたかった。

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!ゥ゙ゥ゙ゥ゙」

 ぷつん、と糸が切れるように私は落ち着いた。
 こんなんなら、生きてる意味なんて...

 私は病院のフェンスに手をかけた。

 こんな人生、自分から終わらせてやる。あの世界で幸せになるんだ。神様に言うんだ。ここで幸せになりたいって。

「ハァハァハァ...」

 これで、楽になれる。でも、浮かぶのは星惟くんの恥ずかしがっているような笑顔。

 駄目、期待したら。駄目だよ...
























         「美來!!!」