死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


《体調、良くなった?》

 そんなメールが届いたのは愛菜ちゃんが去ってすぐの事だった。

 星惟くん、怒ってない...?

 私、あんな酷いこと言ったのに...星惟くんって、ほんと優しい。

《迷惑かけてごめんね。元気なったよ》

 そうメッセージを送る。
 また星惟くんに会えるかな...

 星惟くんは学校だから、中々返信は来ない。でも、それでいい。願わくば、サプライズでいきなりここに来てほしい。

「美來ちゃんご飯よ〜」
「はーい」

 今ではもう慣れっこな病院食を食べ、スマホを握りしめながら彼からの返信を待つ。

「どうしたの、そんな携帯握りしめて」
「え、いや、なんでもないよ?」
「また光野くん?」
「うっ...」

 愛菜ちゃんはニヤニヤしながら私を見ていた。

 この気持ち、なんでこんなにすぐバレちゃうの?

「恋する乙女はスマホ握りしめ王子を待つ、か...笑」
「か、揶揄わないでよ...」

 これが、恋っていう気持ちなんだね。
 星惟くんのこと考えるだけでドキドキしたり、会えないだけで寂しくなったり...

 会えたら、ちゃんと謝る。