❤︎𓂃 𓈒𓏸◌
「美來ちゃんの余命は1年でしょう」
小さい頃から覚悟していた。余命宣告。
今日この時間に私は命の尽きる時間を宣告された。
母は静かに涙を流し、父は呆然としていた。そんな中で私は至って冷静だった。
あと1年頑張って生きたところで何もできないんだからもう命なんて尽きていいのに。
両親の前では絶対に言えないことを考えていた。
私が生きてきた意味って何だったんだろ?
考えても答えの出ない問いを毎日のように考えてきた日々はもう終わってもいい。
これから私が幸せになる人生なんてできっこない。
私は頑張った方だよ。だって、生まれてから17年ずっと病気と戦ってきたんだから。
希望なんて持てなくて当たり前。
「美來、ごめんね。元気な体で産んであげられなくて...」
母は、嗚咽を漏らしながらそう言った。
父も、母にうなずいていた。
「お母さんたちは悪くないよ」
そう言うのが精一杯だった。
