死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


「...そう、だね」

 無理なんか、してない。無理、なんか...
 これが、普通だったんだもん。無理って...

「月音、さん...?」

 無茶、無理、無謀...


(「無理って、何...」)



「え、なんて...」


 感覚が、おかしくなる。
 無理なんか、無理なんか、してないよ...

「私は、無理なんかしてない。これが、私の普通だよ。わかるわけ、ないじゃん。星惟くんに私の限度なんか」
「月音、さん...」

 自然と、泪が零れていた。
 余命宣告されても、泪は出なかったのに。

「ごめん...」

 色々な感じたことのない思いが、私の中を巡っていた。


 星惟くんの背中は、いつもに増して暗さを纏っていた。