死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。

「何?」
「優しくて綺麗な目」
「えっ...」

 私を見てくれる目が、少しだけ見えた。
 前髪が、少しだけズレている。隠す必要がないくらい、綺麗な目だった。

 イケメン、って言うんだよね。こういう人。

「あんまり見るなよ...」

 星惟くん、照れてる。真っ赤。

「前髪、切ったらいいのに」
「...嫌」

 空気が、静まり返った。

 なんで?って、聞きたかった。でも、聞けなかった。星惟くん、何があったの...?
 星惟くんにはかっこよくいてほしいだけなのに。