死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


「ア、ウ、ウウアア」
「美來、おはよう...」
「アア、ウア...」

 美來が次に目覚めた時にはもう中治り現象は終わっており、それからはあっという間に美來の灯火は消えていた。

 あれは幻だったんじゃないか、そう考えた時もあった。中治り現象は、僕の見た都合の悪い夢。まだ美來は生きるんだ。

 そう考えないと、やっていられなかった。

 そんな思春期の想いは、どこまでも続く青い空に消えていた___