死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


「星惟...お願いがあるの」
「なに?」

 美來が僕の目を、真剣な眼差しで見つめていた。

 大きくて、ぱっちり開いた目。

「キス、してほしい...」

 お互いの顔が、真っ赤になった。
 お互いがわかっている状態だったのは美來の自殺未遂の後と、向日葵畑でしか経験がない。だから僕らは他の恋人とは違ってまだ慣れていないからだ。

 それに、こんな風に美來から言ってくることはなかった。

 でも、恥ずかしがっている場合ではなかった。

「わかった」

 僕は美來の頬を手で支える。それでもその手は震えた。甘い泪が零れる。

 美來の泪を反対の手で拭い、口を近づけた。