死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 いつものように星那ちゃんと雑談を楽しむ。
 今日は小鳥遊くんが都合悪いみたいで、面会できる時間までずっと星那ちゃんはいてくれる。

 こういうの、久しぶりだったから嬉しい。

「星那ちゃんは進路どうするの?」

 星惟はお医者さんになるって夢を聞いていたのに星那ちゃんの夢は何も知らない。

「私?私は、JICAの職員になることが夢」
「じゃいか?」

 どこか、美味しそうな名前...

「世界には、戦争とか自然災害で大変な思いをしている人達がいっぱいいるんだけど、その人達を助ける仕事」

 かっこいい...
 じゃあ、星那ちゃんは外国で働くんだ。

「でもね、JICAって採用数が少ないから倍率も高くて難しいところなんだよね...」
「でも、星那ちゃんならなれるよ!絶対!」
「ふふふ、ありがとう」

 だから星那ちゃんは大学で国際的な学部とかそういうところを目指して頑張ってるんだって。

 私には理解できないことも多いけど、かっこいいことだけはわかる。

 私も大人になれるって保証があったらこんな風に夢を持っていたのかな。2人みたいに人を助けられるお仕事ではなくとも、素敵な夢を持ってたのかな。

 みんなが、キラキラして見える。