死ぬまでに、少女漫画のような恋がしたいだけ。


 病院に戻って、またいつもの日々が始まる。
 
 星惟もやっぱり勉強が大変みたいで、会えない日だって幾分かあった。寂しくて、泣いてたこともある。

「美來ちゃん、元気?」
「うん」

 それでも星那ちゃんが星惟が来れない日には必ず来てくれて1日中誰も来ないという日はなかった。

 あの日以降、今のところ発作は出てない。
 だから今は幼児化は止まってる。でも、次いつ発作が来るか分からないし、次の発作が来てしまえばもう私の命は...

 あの日貰った造花を手のひらの上に乗せて、星惟のことをいっぱい考える。

 一生発作なんか来なくていい。
 星惟の受験が終わるまで我慢すればまた毎日会えるって保証が欲しい。

「美來ちゃん、それ...」
「星惟に貰ったの。9本の向日葵。お守りなんだ」
「そっか。良かったじゃん」
「うん!」

 花言葉は伝えなかったし、恥ずかしかった。
 また増えた、星惟と私だけの秘密。星那ちゃん、ごめんね。