甘く切なく


寂しさが残る部屋の中、わたしはベッドから起き上がると、シャワーを浴び、ダボッとしたスウェットにショートパンツをはくと、スマホだけを片手に玄関に向かい、フラットなサンダルを履いて自宅を出た。

そして、向かった先は徒歩5分先にある幼馴染の鈴村匠海の家。

「匠海〜。」

インターホンも押さず、勝手にドアを開けて入る。

匠海はTシャツにスウェット姿でソファーに座り、スマホをいじっていた。

「みつ葉、お前いつもピンポンくらい押せって言ってるだろ。」
「別に泥棒じゃないんだからいいじゃん。」
「泥棒はピンポン押しません。」
「、、、そっか。」

わたしはそう言うと、ワンルームにある匠海のベッドに寝転んだ。

「それになぁ、俺がキャッキャウフフなことしてる最中だったら、どうすんだよ!」
「えっ!匠海、彼女できたの?!」
「いや、居ないけどさ。」
「なら、いいじゃ〜ん。」

そう言いながら、わたしは匠海の布団に潜り込んだ。

「あっ!お前、またうちに寝に来たなぁ!」
「だって、匠海の布団落ち着くんだもん。」
「自分の家があるだろ。」
「おやすみ〜。」

そう言った瞬間に眠りに落ちるのが分かった。

匠海の布団は、自宅の布団よりも落ち着く。
わたしはいつも寂しさを感じると、匠海の家に来るのがお決まりになっていた。