甘く切なく


「匠海、、、ありがとう。」
「みつ葉、怖かったな。」

匠海はわたしを抱き締めながら、頭を撫でてくれた。

久しぶりの匠海の匂い、、、安心する。

「匠海、こないだはごめんね。」
「ん?あれ、何か謝られるようなこと、あったっけ?」

そう言って、笑う匠海。

すると匠海は、「みつ葉、腹減ってないか?九ちゃん行かない?」と言った。

わたしは涙を拭くと、「行く!」と元気なフリをして答えた。

それから、わたしたちは久しぶりに2人で九ちゃんラーメンを食べに行った。

やっぱり匠海と一緒に食べる、九ちゃんラーメンは美味しい。
匠海と一緒にいると落ち着く。

わたしは今まで自分が間違っていたことにやっと気付いた。

わたしには、匠海しかいない。



それから数日後。
わたしは、匠海の家を訪れた。

インターホンを押すと、ドアが開き、匠海が顔を覗かせる。

「今日はピンポンを押して来たんですね、泥棒さん?」

匠海はそう言ったあと、「今日は何を盗みに来たんですか?」と訊いた。

そして、わたしはこう答えた。

「匠海の心を盗みに来ました。」

すると匠海は小さく笑い、両手を広げると「どうぞ、盗んでください。」と言った。

その瞬間、わたしは匠海に抱き着いた。
そして、匠海もわたしを抱き締め返す。

「ずっと待ってた、、、。」

耳元で囁く匠海の声。

匠海は一度わたしから離れると、わたしの唇に短いキスをした。

「えっ!口にした!」

突然の唇へのキスに驚くわたし。

匠海は「普通キスは口にするもんだろ。」と言う。

「もう一回して?」

わたしがそう言うと、匠海は「もう一回じゃ済まない。」と言い、わたしの唇に唇を重ねると、さっきよりも長く深いキスをした。

今まで額や頬にしかされたことがなかったキス。

わたしのファーストキスは、匠海なのだった。




―END―