それからもわたしは、蓮くんとの関係を続けた。
「みつ葉が一番だよ。」
耳元で囁く蓮くんの言葉は甘く響くのに、心が切ない。
蓮くんはいつも満足したら、すぐに帰って行って、部屋に1人になるわたしには虚しさだけが残った。
そんなときは、いつも匠海の家に逃げていたわたし。
匠海の家、匠海の存在、匠海の匂いがするベッドに包まれていると、心が落ち着くからだ。
でも、あの言い合いをした日から、匠海の家には行っていない。
いつでもすぐそこに居てくれた匠海。
いざ、会えなくなると、寂しくてたまらなかった。
わたしは、いつも匠海のことを振り回してばかりいた。
それでも匠海は、わたしのワガママをきいてくれて、いつも優しく受け止めてくれていた。
わたしは、匠海に甘えてばかりいたんだ。
それを思い知ってから、わたしは蓮くんより匠海のことばかり考えるようになっていた。
そんなある日のことだった。
蓮くんから「うちに来ない?」と初めて家に誘われたのだ。
初めて家に呼んでくれるってことは、もしかしたら彼女認定されるかも。
そんな淡い期待を胸に、わたしは蓮くんと共に初めての蓮くんの自宅にお邪魔することになった。



