【原版】それは麻薬のような愛だった




それに気付いた瞬間サッと全身から血の気が引き、寝巻きの上にコートだけ羽織って近くのドラックストアへ向かった。

そして目当てのものを購入して急いで帰宅し、トイレへと駆け込んだ。




「……う、そ…」


予想はしていた。
これまで一度も周期が乱れた事が無かったから。


妊娠検査薬にくっきりと入った二本の線を目の前に、雫は頭が真っ白になってその場に立ち尽くした。








しばらくしてなんとか気力で気を取り直し、その日の午後には病院へ向かった。
そしてそこではっきりと告げられた。


「おめでとうございます」と。



手渡されたエコー写真には確かに黒い空洞が映っていて、疑惑は確信へと変わった。


「次は心拍の確認になりますから、また二週間後にいらしてください」
「……はい」


なんとかか細い声でそう返事をして診察室を後にした。

会計の時に受付で次の予約日程を確認され、ますます現実味が増してくる。


何も考えられないまま自宅へと戻り、玄関で靴も脱がないままそのまま力無く座り込んだ。