君のいる世界


何年も何年も言われてきた。



もう限界だ。僕はこの世界にいる意味は無い。



生きていても、居場所なんてないから。





みんな僕をバカにする。


兄の劣化版だと罵られる。


可哀想だと笑われる。



せめて死ぬ時に、あの三人に迷惑をかけたい。




僕なりの仕返しの仕方を思いついた。











──── 数日後 ────




「伊和、ごめんな〜俺だけ旅行行っちゃって。」




両親が先に家を出た後、玄関で、僕に向かって空が、満足そうな表情を浮かべてこう言った。




「だって、この旅行は空が試験頑張ったから行けるのであって、何もしてない僕が、行く資格なんてないからさ。」




僕は、空が喜びそうなことをあえて言った。