君のいる世界






僕は、生きていた。






頭に損傷は無く、左足の骨折と、左手首の捻挫だけで済んだ。



珍しく道を通りかかったおばさんが救急車を呼んでくれたらしい。








病院から連絡があり、旅行先から引き返してきた家族たちが揃って僕の病室に来た。




母が物凄い形相で僕の方へ向かって来ると、








バチンッ








と頬を叩いてきた。






「....あんた、何やってんのよ!こんな時に自殺未遂とか信じられない。散々、私たちに迷惑かけて....どういう神経してんのよ!」






母の顔は、今までで見たことの無いような強い怒りと僕に対する憎しみがこもっている。