バツイチ美女と 御曹司

マリは自分の何がいけなかったのか、
どうすればよかったのかと、
悩みつづけたが、ある時マリの愚痴を
聞いてくれていた優依が

「人の心も人生も一寸先は闇か光の
パラダイスかそんなことわかる人は
いないのよ。
過去を悔やんでも仕方ないじゃん
間違ったと思ったら違う道を探してみる
のもいいし、わき道を進んでみても
いいんじゃない。
わき道だと思ったほうが
本通りだったりするかもだし」

と言ってくれた。そして

「人生やり直すのに早いとか遅いとか、
なんでも早いほうがいいなんて私は思わない。
マリはマリの速度でゆっくり歩いていけば
いいんだよ。
マリが腰を上げたときがマリの潮時
なんだよ。
きっと…」

と言って励ましててくれたのだ。

その言葉がマリを突き動かした。

離婚することになったとき、
優依たちのような大きな会社に
就職なんてできない。　　

働いた経験もないし短大卒業後ずっと
専業主婦で、家事をやっていた。

それでも実家に帰って、
兄夫婦や父のお荷物になるのは嫌だった。

自分ができること、やりたいことを
真剣に考えた。