バツイチ美女と 御曹司

まだマリが目黒店で働いてから二ヶ月位しか
経っていないのに店長さんたちが居並ぶ前で
教えるなんて無理だと断れば、
そんなことはない君は目黒店では
二ヶ月かもしれないがロンドンやパリの
フローリストで二年以上もの経験が
あるじゃないかといわれてしまった。

その辺もちゃんと履歴をオープンにするので、
問題はないと押し切られ、しぶしぶOK
することになった。

そのあとは学生時代の兄たちの楽しい話や、
マリのロンドンやパリでの話をして
あっという間に時間が過ぎた。

マンションまでタクシーで送ってくれた裕に
礼を言って車を降りようとすると

「また食事に付き合ってほしい。
すごく楽しかった」

と裕に言われてマリも

「はい、ありがとうございます。
いつでも誘ってください。
私もとても楽しかったです」

といって車を降りた。

マンションに入っていくマリの後ろ姿を、
熱い眼差しで、裕はタクシーの中から
いつまでも見つめていた。