バツイチ美女と 御曹司

パリやロンドンでの修行が役に立った。

特にパリでは花卸の市場には雑貨屋もあって
イメージがわくのだった。

そんな雑貨にアレンジしてショップに
置いていたのだ。

目黒店の売り上げが好調なのを知って、
副社長の裕がやってきた。

視察に来たらしい。

裕は結構フットワークが軽くいろんな
ショップによく顔を出すそうだ。

「白石好調だそうだな、店先の千円の
花束のアイデアいいな。
マリさんの発案だろ?
マリさんらしい花束だからすぐにわかった」

「そのうち来ると思ったわ。
そうよ、マリちゃんのアイデアよ。
コストパフォーマンスもよくて売れ残りが
ほんとに少なくなったのよ。
作るさきから売れてくの。
それに雑貨を使った大胆なアレンジも
よく出るのよ。これよ、見て」

と言って今日マリが作った、
ちょっと古ぼけたジョーロにアレンジした
ものを見せる。