バツイチ美女と 御曹司

「わかったよ。
ところで花はどこで習ったの?」

「東京のJPフラワースクールで
デイプロマを取って、そのあとロンドンの
本店でプロコースに通いながら
チェルシーのフラワースクールで一年
勉強しました。
そこでは主にイングリッシュガーデンの
クラスを取ってました。
帰国前の一年はパリのフローリストで
働いてました。
ほんの三週間前に帰国したばかりです」

とマリがいうと、ピュ-っと口笛を鳴らす白石

「なにこの人、こんなところで花屋の店員
やってる場合じゃないんじゃないの?」

「そうだな !
すごい人材だなあ。
ほんとに本社の装花部門に
引っ張りたいよ。」

「ええっ! 私はここがいいです。
この小さいけれどあったかくてセンスのいい
お花がいっぱいあるここがいいです。
私の夢は自分のこだわりのある花屋を開く
ことなので二~三年みっちり勉強させて
もらいたいです」

と必死に言い募るマリに微笑んで

「ふっふーん、残念ね、裕。あきらめて、
マリちゃんはここで私が育てるわ」

と得意満面の白石。