バツイチ美女と 御曹司

マリはなんて言っていいかわからず
神妙にしていた。

「そうか。お花のスキルもちゃんと
あるみたいだし、よかったね。白石!」

そしてマリに向き直った彼は

「ゴメンね。試すようなことをして、
でも君の作る花を見たかったんだ」

と言って名刺をマリに差し出して

「円山花壇の円山裕だ。よろしく」

といった。

「はい。すみません何も存じ上げなくて
失礼いたしました。勝手に店長の
許可なく花束を作ってしまって、
こちらのテイストや決まり事もあると
思うのに申し訳ありません。」

「いや、君に作ってほしいといったのは
僕だから気にしないで。それにとても
気に入ったよ。君の花束。どう白石」

と言って白石さんに花束を見せる。

「ほんとにびっくり。すごく斬新な花束と
ラッピングですね。でも裕!
本社にかっさらっていかないでよ。
彼女家もこの近くで自転車で通えるって
言ってるんだから。引き抜いたらだめだよ」

と急にため口になる白石。