バツイチ美女と 御曹司

白石は店に戻るとマリにいわれたように
お花の金額とラッピング代を入れた。

「ありがとうございます。
三千五百円になります。」

と言って男性の方を見上げた。
彼は相当背が高い。

マリは百六十センチあるが顔一つ分は
見上げる感じだ。

スタイルもいい。

白石はマリより小柄だからなおさら
見上げる感じがするだろうなあと思いながら
花束を袋に入れていると、

「なんだ、副社長!どうしたんですか?」

「白石が一人だと思って、こっちのほうに
用事があったから手伝いに来てみたんだが、
新しい子がはいったんだね」

と男性が返す。

マリは二人の会話に固まった。

副社長???ってここは単独の花屋さん
ではなくてチェーン店なのかと
初めて気づく。

そういえばさっき白石が各店長がどうのとか
言っていたように思う。

「そうなんです。
って言ってもつい三十分くらい前なんですが…
急にパートの人が辞めて困っていたら
救世主のように現れたんです。
天使かなんかだと思いましたよ。
美人だし優しそうだし笑顔がかわいくて…」

へへっと笑う白石。