バツイチ美女と 御曹司

百六十センチのマリより頭一つ分は高い。

すっきり整った眉毛、切れ長のくっきり
二重のきりっとした目元、長い睫毛に高い鼻、
唇は閉じていても口角が上がっていて、
適度な厚みのあるセクシーな口元だ。

上唇の端に小さなほくろがあって、
それがセクシーなのだ。

黙っているとちょっと冷たい雰囲気なのだが
さっきのようにニコッと笑うと左頬に
えくぼができて途端に雰囲気が変わって
優しく子供っぽい顔つきになる。

ロンドンでもパリでも、まずお客様の
人となりを見極めて、自分なりにその人に
会った花束やアレンジをするのが大切だと
教えられた。

マリはほんの二~三分の会話でお客様の
纏う雰囲気を判断できるようになった。

百%正解ではないけれど大体好みには近づける
自信はある。

彼は長い手足にモデルのような体形で
真っ白のTシャツに紺色のコットンパンツを
合わせてベージュのトレンチコートを着ていた。

服装もセンスが良くシンプルで好感が持てる。

マリは手早く計算しながら花を選んだ。

デルフィニュームと白のガーベラを三輪
ユーカリも組み込んであとは周りに斑入りの
ハランを三枚、半分に折ってブーケのような
花束を作った。