バツイチ美女と 御曹司

「白石さんですね。
私は藤原マリ二十六歳です。
この近くに住んでいるんで、自転車で
通えます。
交通費もかかりませんよ」

と言ってにっこり笑うマリに

「あなた面白いわね。
そんなにここが気に入ってくれたの?
もう、すぐにでも働いてほしいわ。」

「本当ですか?うれしい。
でも履歴書とか用意していないので
これから書いてすぐに、持ってきますね。」

とマリはうれしくて前のめりになる。

「そうね、でも実際パートやアルバイトの
採用は各店長に一任されているから大丈夫よ。
私、人を見る目は確かだから。
あなたに決めたわ。
でさ、今から時間があるんだったら早速
手伝ってくれない?
実はずっと忙しくてお昼も食べ損ねたのよ」

「ええっ、もう四時過ぎですよ。
夕食になっちゃいますね。
私は何をすればいいですか?」

「三十分ほどお店番してくれると助かる。
奥の事務所でお弁当食べるだけだから、
お客さんが来たらすぐ呼んで、
もう疲れて死にそう」

と白石は言ってぐったりしている。