バツイチ美女と 御曹司

マリは店に突入すると、レジにいた女性、
マリより少し年上だろうかショートボブの
しっかりとした目のスレンダーな女性に、
思い切って近寄って

「すみません。そこの張り紙を見たのですが
まだ募集はしていますか?」

とグイグイ詰め寄った。彼女は少しひきながら

「えっ、ずいぶん積極的ね…
でもまだ募集しているわよっていうか
こっちも焦ってるのよ。
急にパートの人が辞めちゃってバイトの子も
いないし、私一人でてんやわんやしている
ところよ」

「じゃあ 私ではだめでしょうか?
何でもやります。
毎日でも朝から晩まででも全然かまいません。
働かせてください。お願いします」

と言って深々とお辞儀をするマリに、
その女性はびっくりしたように

「わあ、助かる。あなたみたいに若くて
優しそうな美人さんが、こんな小さなお店で
いいの?花屋って結構きついのよ」

「わかってます。経験はあるんで…」

「そうなの。どこで働いてたの?
私はここの店長を任せられている
白石千佳子です。」