バツイチ美女と 御曹司

マリの大好きな左側にえくぼができる裕の
笑顔を思い出すとまた目が痛くなってくる。

マイナス思考になりそうになって、
元気よく立上り空を見上げた。

今日は晴天だ。

陽ざしを顔に受けてその暖かなお日様の陽光
ごと腕を広げて思いっきり吸い込んだ。

暖かい光と空気が体にしみこんでいくようだ。

胸に励ましをもらったように思える。

心も体も癒されていくのを感じる。

久しぶりに気持ちが高揚して平常心を
保っていられる。

この1カ月余り無縁だった気持ちのゆとりを
感じてここに来てよかったとマリは心底
思った。

ナタリーに頼ってしまったがこれから
恩を返していこう。

そう思ってマリは足を速めてナタリーの
事務所に向かった。

事情をすべて知っているナタリーは、
もう少しゆっくりしたらと言ってくれるが
忙しく体を動かしているほうがいろいろ
考えなくて済むので、明日からでも働きたい
とお願いした。

ナタリーの事務所では様々なプランニングの
仕事をしている。

ただし顧客は超が付くセレブの上流階級の
人達だ。

有名な俳優やモデル、政治家もいる。