バツイチ美女と 御曹司

社長は完全に蚊帳の外だ。

頭を抱えてうつむいたままだ。

そこにドアが開いて古参の秘書の山田が
入ってきた。

彼は社長就任からずっと父親を支え続けて
くれている人だ。

もう定年はとっくに超えているけれど、
社長が手放せなくてずっといて
くれている。

「社長、私も辞めさせていただきます。
副社長と椿さんとマリさんが、今の円山花壇
の原動力なのですよ。
その三人がいなくなったら社長一人では
衰退の未来しか見えません。そんな会社に
もうこれ以上いられません」

そう言って彼もまた、辞表を出した。

これで社長は陥落した。

「わかった。もうわかった。俺が悪かった。
もう裕の縁談には口を出さないし、
マリさんが帰ってくればちゃんと謝るよ。
それに椿の事を恥ずかしいとも思ってない。
あんな男別れて当然だ。
そして、これは秘書の山田とも相談して
いたんだが、社長は裕に代わって俺は会長に
なるよ。だから山田も非常勤でいいから
やめるなんて言うなよ」

と泣きごとを並べて頭を下げた。