バツイチ美女と 御曹司

「マリって変なところで頑固なのよ。
いつもふわっとしてして優しいのに、
こうと決めたら、てこでも動かないのよ。
いつも自分の事より周りの事を優先して、
自分なんかが口癖で、自分の価値を
認めようとしない自己肯定感が底辺
くらい低いの」

本当にそうだ、マリの自己肯定感の
低さには何度も椿と苦笑したものだ。

「ルミエールの妖精の件でも、もっと私の
おかげって思えばいいのに。
自分はただきっかけを作っただけで、
それを上手く利用してイベントにまで
つなげて、今では世界的にルミエール
妖精にまで盛り上げたのは、研吾さんの
手腕以外の何物でもないって言って、
私にも研吾さんを紹介してくれて凄く
いい仕事をさせてもらえて感謝しかない」

それを聞いて研吾もばつの悪い顔をした。

「ほんとにそうだ。ルミエールの妖精の
イベントもマリさんのアイデアだったし、
お礼に何でもすると言ったんだ。
ブランドのバックでもなんでもいいと
言ったのに、マリさんの希望はチケット
二枚だけだったんだ。
それも、椿さんの娘さんとマリさんの
友人の娘さんの為に…」

研吾がつぶやくように言った。