バツイチ美女と 御曹司

そこから次に自分はどうするかを考えようと
思っていた。

辛いからと酒に逃げても仕事を遠ざけても
どうにもならないことは、
裕もよくわかっているのだ。

でも裕は焦燥感と無力感に打ちのめ
されている。

マリを取り戻すことだけは決めている。

円山花壇をさることになったとしても、
マリだけは手放せない。

絶対に諦めるつもりはないし、父親の
薦める縁談なんてくそっくらえだ。

円山花壇の犠牲になんてなるつもりはない。

そんな事を考えていると個室のドアが
開いて優依が入ってきた。

彼女も元気がなかった。

目は泣きはらしたようで腫れていて
まだ赤かった。

「優依さん、大丈夫?」

「裕さん寝てないでしょう?」

と二人一緒に声をかけ、顔を見合わせて
ぷっと噴き出した。

それで二人とも緊張感がなくなって、
何とか話ができる雰囲気になった。

「とにかく、マリにしてやられたんだから、
裕さん怒っていいのよ。
今度会ったらマリのやつ許さないんだから」

といつもの優依節が飛び出した。