バツイチ美女と 御曹司

マンションを出ようとして玄関に
落ちている椿のメモに気づいた。

椿には心配かけて申し訳ないと
電話で詫びた。

でもしばらく会社は休ませてもらう
と言った。

四月は決算期で本来なら業務は山積み
なのだが、とりあえずマリを見つけない
と何も手につかない。

円山花壇を辞める覚悟もしていると椿に
いうと、いい加減にしなさいと叱られた。

とにかくマリは休職扱いにする事と、
とりあえず裕は三日間休みにしておくので、
それまでに何とか気持ちを落ち着けて、
マリちゃんを探してと椿は言ってくれた。

午前中は会社に出て急ぎの決済とやるべき事
を部下に指示して、会社を出た裕は優依との
待ち合わせに指定されたイタリアンバルに
向かった。

優依の会社の近くで個室がありこみ入った
話も気兼ねなくできるレストランだと
いうことだった。

先についた裕は優依の名前で予約された
個室に入った。

頼みの綱は優依さんだけというのが、
正直情けなかった。

それでも何でもいい、マリの話を
聞きたかった。