バツイチ美女と 御曹司

椿は努めて冷静に話したが

「ああ、1か月くらい前に裕と別れて
円山花壇もやめてもらうように話をしたんだ
裕にはいい縁談の話があって、会社の為にも
裕の為にも最高の縁談だと思っている。
マリさんもわかってくれてブライダルの
仕事だけは終わらせたいからと今日に
なったんだ。
裕にも椿にも何も言わないでくれというのが
条件だったからね。きっちり裕の前から
消えてくれたみたいだな」

あっさりとそういう父親に、
椿は二の句がつけずにいた。

「裕は壊れちゃうよ。マリちゃんが
いなくなれば裕は生きられないよ」

と言う椿にぎょっとした父親が

「何を言っているんだ。
裕はそこまでばかじゃない」

「バカとかそんな問題じゃないでしょう。
この世の中で一番大事な存在の人なんだよ。
裕にとってマリちゃんは!
きっと命に代えても守りたい存在なんだよ。
お父さん最低のことしたね。
きっと裕に許してもらえないよ。
私にもだけど…」