バツイチ美女と 御曹司

「裕さんにも椿さんにもこの話は内緒に
してください。
このブライダルの装花に集中しなければ
いけない今、二人に余計な心配をかけたく
ないので…それと退職金も不要です。
こちらでお世話になってまだ一年くらい
ですので…」

とマリは念を押した。

社長は無理を言っているのだから、退職金
じゃなければ慰謝料という名目でも
受け取ってもらえればと再三言っていたが、
マリは固辞した。

それから仕事の合間に少しづつ裕の前から
消えるための準備も始めた。

優依にこの話をしたのは全てが済んで明日
裕のマンションを出ていくという
前の日だった。

優依は勘が鋭い。

マリのラインやときどき電話で話すマリの
様子で、何か隠しているでしょうと何度も
聞いてくる優依に根負けして、一ケ月前の
社長の話をした。

優依は社長にはすごく怒っていたが、
何も知らされずマリを失う裕の心配を
していた。

「きっと裕さん壊れちゃうよ。
あんなにマリの事が大好きでマリを溺愛
してるのわかってるでしょう?
裕さんにちゃんと相談したら、
それか椿さんにでも…」