バツイチ美女と 御曹司

紘一と裕は、うわさ話や昔話で盛り上がって
楽しく飲んでいた。

最後にはまじめに、経営論などを
論じていたりしていた。

裕と研吾の二人でいる時と、裕と紘一の二人で
いる時とまた違った雰囲気の裕が見られた。

研吾には、全く警戒していないようなのだが、
キチンと一線を越えないように
気を使っているし、紘一にはマリの兄という
こともあるのだろう。

言葉使いから気遣かっているように見えた。

でも経営論などを語っているときは、
二人とも真剣だ。

相手を敬い信頼しているのがよくわかる。

三人の関係は、やはり研吾がイニシアチブを
握っているのだろう。

三人とも家業を継ぐべき御曹司なのだが、
その規模には大きな違いがある。

その背景もやっぱり付き合いに影響するので
あれば、少し寂しいとマリは思った。

マリ達四人の親友の間には、
そういうことは全くない。

それぞれの個性を認め信頼し尊敬している。

損得勘定など存在しない。

ただただ一緒にいると楽しいのだ。

男の人は、大変だ。

皆それぞれに背負っているものが重く、
守っていかなければいけないものも、
たくさんあるのだろう。

ただ、自分の感情や考えだけで判断しては
いけないときも、きっとあるのだろうと
マリは裕と紘一を見ていて胸が痛くなった。