バツイチ美女と 御曹司

でも、準備にだって何カ月もかかるし、
膨大な量の花を当日抑えるのも大変だ。

お花は生き物なので何日も前に仕入れては
おけない。

枝物はある程度前に用意できるが生花は
一週間前が精いっぱいだろう。

種類によっては二~三日前になる。

当日も装花部だけではやりきれない。

円山花壇総出でやることになるだろう。

式に間に合わせなければならないのだから
一大プロジェクトだ。

シュミレーションも欠かせない。

パリでは三軒のフローリストが
かかわったのだ。

総勢五十名でテリトリー分けをして
三時間で仕上げた。

特にフローリスト三軒の意見合わせが
大変だったと、あとでナタリーが
言っていた。

新郎新婦の希望のコンセプトを
実現するために、ナタリーは三軒の
花屋をまとめて顔を立てながら、
どこも不公平が出ないように細心の
注意を払った。

そこが一番の難関だったそうだ。

フランス人はプライドが高い。

そこをおろそかにすると、不協和音で
ちぐはぐになり総崩れを起こす。