バツイチ美女と 御曹司

そこでもきちんと拒絶するべきだったのだ。

マリの優しさが却って梅原を追い詰めたのだ。

そんな風に、マリは自分を責めた。裕は

「マリ、わかっているだろうけどマリは何も
悪くないんだ。
マリはただ自分の人生を必死に
生きてきただけだ。
独りで外国に勉強に行って苦労を重ねて
自分の道を切り開いたんだ。
それを誰にも邪魔をする事なんて
できないんだ。梅原にも俺にも…
マリは優しすぎるんだ。
今度のことも俺としては気に入らないけど、
マリが望むようにすればいいよ。
梅原はきっと立ち直るよ。」

そう言って裕は優しくマリを
抱きしめてくれた。

そうだ、それを信じよう梅原はきっと
立ち直るだろう。

マリはマリの心のままに新しい暮らしを
大切にしていこう。

ロンドンやパリで築いた人脈と何時も
マリを信じて応援してくれる家族や親友達、
日本に帰ってきて職を得て知り合った仲間達、
マリにはたくさんの人の輪ができたのだ。

そして愛する人も…
裕がいてくれるだけでどんなことも
乗り越えられると思える。

裕のことを考えると力が湧いてくる。

愛とはきっとそういうものなのだと
マリは心が震えた。