バツイチ美女と 御曹司

「何を言っているんだ。
マリは十分やりたいことをやっただろ。
もう俺の所に帰ってこい。
マンションはあの時のままだマリが
帰ってくるのを待ってたんだ。
さあ、帰ろう」

と言ってまた腕を強く引っ張られる。

丁度来たタクシーを止めて、
マリを無理やり乗せようとする。

「いやです。放して」

あー、裕さん助けて!と心の中で
叫んでいたが、男の力にはかなわない。

タクシーに押し込められそうになった時

「貴様、マリを放せ」

愛しい人の声が聞こえて掴まれていた
腕が解放された。

マリは道路にしりもちをついてしまった。

マリを抱き寄せた裕を見てほっとする。

裕はタクシーに向かって

「運転手、君も共犯か?誘拐未遂だな。
かなりの量刑だぞ」

とタクシーの中に向かって叫ぶ。

運転所はびっくりして

「私は知りませんよ。
ここで、今さっき止められただけですから」

「それならなぜ嫌がる女性を連れ去ろうと
しているのに何もしないで協力してるんだ。
この後警察に一緒に行ってもらうからな
待っとけ」

と言って裕は梅原に向き直った。