バツイチ美女と 御曹司

椿さんは、お金はいいと言ったそうだ。

結婚式場に貸しを作れて却って
良かったらしい。

そんな風にマリの初めての装花部の仕事は
波乱万丈だった。

その夜、裕にその話をすると

「それは大変だったなあ。
でも姉さんも無茶ぶりするなあ。
よっぽどマリの腕を見込んでいるんだな」

と言って笑っていた。

確かに無茶ぶりだと、今更思うマリだが
何とか初仕事を失敗なく終えられて、
達成感に満たされて優しい裕の腕の中で
眠りについた。

裕は本当に優しくていつもマリを
甘やかしてくれる。

マリの料理も気に入ってくれてこんなに
お料理の上手い恋人をもてて俺は幸せだと
事あるごとに言ってくれるので、
マリは本当に毎日が充実していて
楽しくて仕方がなかった。

それからも結婚式の装花やホテルのロビーの
活け込みなどあわただしくも充実した
日々が続いた。

梅原のことは気にもしなくなったある日、
マリは青山のショップにいた。