バツイチ美女と 御曹司

「30分後には式がはじまります」

う~っ厳しい。

でも、ブーケではなくて花束だと思えばいい。

早速マリは残った白のバラや白の
マトリカリアやカスミソウに
ユーカリやタバリアファンを使って、
ナチュラルでキュートな
白いブーケを作った。

タバリアファンもマトリカリアも
ふわっとした花材で、全体にソフトで
自然な仕上がりになるようにまとめた。

保水をして白のリボンで茎の部分を
巻いてリボンを結んで長く垂らした。

花嫁はかわいい感じの方だという
話だったので、あまり大人っぽく
ならないようにしたのだ。

スタッフは何度もお礼を言って

「ありがとうございます。
金額は後でお聞きします」

と言って、ブーケをもって
すっ飛んでいった。

吉井さんも加治さんも

「よく作ったね。
この短時間でそれも残り物で…」

「こらっ、残り物残り物って言わないの。
花嫁さんに失礼でしょう」と椿

「ほんとだ、失礼過ぎたね」

と言ってみんなで笑いあった。

すべて準備を終えると結婚式場の支配人が
椿さんにお礼を言うために来て下さった。