バツイチ美女と 御曹司

「いいよ。今はこれで全然困ってないし」

「ダメ、俺がマリに買ってあげたいんだから
今度の休みにいろいろ買おう。楽しみだ。
食器もね。お揃いのマグカップやお茶碗や
湯呑とかいるだろ」

と言って裕はマリを抱き寄せた。

マリは確かに少し買わなければいけない物も
あるのでお言葉に甘えることにした。

次の日からマリは青山の本社で装花部の
一員として働くことになった。

白石には迷惑をかけるけれど事情を話して
了承してもらった。

新しいパートの人にもお願いして
1週間早く来てくれるようになったので
ほっとしている。

装花部では今日は結婚式場での装花の
仕事が入っているので、マリも一緒に
式場に連れて行ってもらった。

装花部は椿の下に女性三人と
男性二人がいた。

みんな二十代三十代の若い人たちで
マリと同じ年代で安心した。

マリのことは椿から聞いていたようで即戦力の
人員が一人増えることでみんな喜んでくれた。

結婚式場に着くと丸テーブルが三十五台
という規模に少し引き気味のマリだったが、
車の中で各テーブルの花と高砂席のアレンジや
待合室に飾る花の概要を説明されたので
お花のイメージは頭に入っている。