バツイチ美女と 御曹司

そして今マリは、離婚のいきさつとマリを
支えてくれた親友たちの存在、そして今日
梅原に離婚の慰謝料でロンドンに勉強に
行けたのに感謝はないのか?
マリをただ少し自由にしてあげただけだと、
マリは梅原のものだからほかに男なんか
作って悪い子になったと言われたことも
すべて話した。

梅原はマリの事を自分の思い通りになる
人形だと思っているのかもしれない。

離婚のときもやけにすっぱりと
了承してくれた。

結婚したときマリはやっと二十歳になった
ばかりの世間知らずで、夫の言うままに
なっていたのだ。

タワーマンションで、梅原の帰りを
待つのがマリの生活だったのだから…

裕にはこんなややこしいバツイチのマリを、
嫌になっても当然なんだから無理をせず
はっきり言ってほしいと懇願した。

それでなくても副社長としての裕の
イメージを損なうような恋人では、
支えるどころか足を引っ張るだけの
存在になってしまう。

梅原のことは実家の兄や父に相談して
対応するので心配しないでほしい
というマリに裕は

「俺ってそんなに頼りない?」

とまた打ちひしがれたわんこの目をして
マリにそう尋ねる裕。