バツイチ美女と 御曹司

マリは覚悟を決めた。

別に隠すこともないことだけど、強いて
話すこともないと思っていたがすべて話して
裕が離れていくならそれも仕方がない
ことだと思った。

「はい、裕さんに隠すことなんて
何もありません。
すべて話します。聞いてください」

そう言うマリの頭をポンポンと、
優しくたたいて裕はにっこりと笑った。

「うん、二人で考えて対処しような」

と優しくいってくれる裕の言葉に
マリの緊張が切れて涙が止まらない。

よしよしと言ってまた頭をなでてくれる裕。

どこまでも優しくマリを守ろうと
してくれる裕に、どうしようもなく
愛おしさが募る。

マリの家によって、当座必要な物を
キャリーバックに詰めた。

その間に裕が連絡し行きつけのお店で
お弁当を作ってもらっていた。

それをもらって裕のマンションへ来たのは
もう夜の九時を過ぎていた。

裕が温かいお茶を入れてくれた。
食欲はなかったが、あっさりとした和食の
優しい味のお弁当を裕に少し手伝って
もらって、何とか食べ切った。