バツイチ美女と 御曹司

裕がそう叫ぶと梅原の腕が少し緩んだ。

そのすきにマリは腕を振り払って
裕の胸に飛び込む。

「俺は元夫だ。
元妻に話があるから食事に
誘っているだけだ」

「彼女は断りましたよね。
こんなに震えて、あなたはマリを怖がらせて、
力づくでどうしたいんだ。
マリは僕の婚約者です。
二度と彼女に近づかないでください。
彼女に触れるのもやめてもらいます」

「婚約者?マリ本当か?
こいつが勝手に言っているんだろう。
マリはすぐに流されるから…
まだ帰ってきて数カ月じゃないか。
そんなわけないだろう」

「本当です。
もう私のことはほっておいてください。
梅原先生ともあろう人が、元妻に
未練がましいです。
そんな人じゃなかったはずです」

「いいや、マリに関しては違う。
大学を出てすぐに結婚したのもマリを
世間に出したくなかったからだよ。
わからないの?マリもう忘れたの、
マリを女にしたのは僕だっただろう?」

マリは梅原の言葉に凍り付いた。