バツイチ美女と 御曹司

「マリ、はっきり物をいうように
なったなあ、まあそれだけ大人になったと
いうことか。
俺のかわいいマリも苦労したんだな。
でもマリの動向はいつもちゃんと
把握してるよ。
もう帰ってきてもいいんじゃないの?」

「意味が分かりません。
申し訳ないですが二度とここには
こないでください。迷惑です」

と突っぱねるマリ。

梅原は何も感じないのか笑顔を浮かべて

「待ってるよ。終わるまで…」

と言って外に出ていった。

「待って居られてもこまります」

とその背中に声をかけても後ろ手に手を
振りながら出ていく梅原。

マリの住まいは承知しているはずなので
家に帰るのが怖い。

「マリちゃん裕に連絡したからもうすぐ
来てくれるよ。
裕が来るまで私もいるからね。
安心して」

そう言って白石はマリの背中を
さすってくれる。

マリは体が震えて立っていられなくて、
事務所の椅子に座らせてもらった。