―――――――――――― 「……なんでだよ。」 男と七海を見ながら呟く。 出てきたときとっさに隠れてしまった俺は今さら出ていくわけにもいかず……。 二人に呼びかけるすらことすらできなかった。 あれが水樹が言ってた彼方って奴か? やっぱり俺なんかよりあいつの方が良いのか……? 七海を失うと思うとどうしようもない不安が俺を襲う。 胸が締め付けられた。 それでもやっぱり俺はなにもすることはできずただ呆然と立ちすくしているだけだった。