どうしても授業は頭に入らなくていつの間にか放課後になっていた。 「市村ー」 教室を出ようとしたら連が声をかけてきた。 「あのさ――」 ……ほらね? いつもどおり。 普通にはなせる。 「何かあったの?」 さっきまで普通だった連が真顔で聞いてくる。 「……何が?」 声が掠れるのが自分でもわかる。 「お前笑ってないじゃん。教室でも話しかけんなオーラだしてるし?笑」 ……ッ 気づかないで欲しかった。