ついに俺のお姫様は巣立って行った。いや、まだだけど。少し、寂しく思う。
ほんの少し、干渉に耽っていた時に聞こえた、
RINE通知。右手の中で未だ握られていたスマホを
確認すればーーー。
「…!!っ亜優ちゃん!!」
スマホに表示されていた内容は、
《紫音さん、こんばんは。お仕事お疲れ様です。
実は、家の中を掃除していたら脱衣所でこれを見つけました。
最近、家の中に招いたのは紫音さんだけだったので、
紫音さんの落とし物かな?と思いRINEしました。
確認お願いします。》
そんな文章の後に添付された写真には、ネクタイピンが移されていた。
もちろん俺の物だ。でも落とし物じゃない、あの日、二回目に亜優ちゃんの部屋に上がったとき、わざと落としたんだ。
このネクタイピンはあの日、亜優ちゃんとの繋がりが切れないようにと、俺が張った予防線。
けれど、そんなずる賢いこと、亜優ちゃんは気付かなくていい。
俺は、笑みを浮かべて亜優ちゃんに返信する。今亜優ちゃんが目の前にいなくて良かった。
こんな悪どい顔、とてもじゃないが、見せられない。
ほんの少し、干渉に耽っていた時に聞こえた、
RINE通知。右手の中で未だ握られていたスマホを
確認すればーーー。
「…!!っ亜優ちゃん!!」
スマホに表示されていた内容は、
《紫音さん、こんばんは。お仕事お疲れ様です。
実は、家の中を掃除していたら脱衣所でこれを見つけました。
最近、家の中に招いたのは紫音さんだけだったので、
紫音さんの落とし物かな?と思いRINEしました。
確認お願いします。》
そんな文章の後に添付された写真には、ネクタイピンが移されていた。
もちろん俺の物だ。でも落とし物じゃない、あの日、二回目に亜優ちゃんの部屋に上がったとき、わざと落としたんだ。
このネクタイピンはあの日、亜優ちゃんとの繋がりが切れないようにと、俺が張った予防線。
けれど、そんなずる賢いこと、亜優ちゃんは気付かなくていい。
俺は、笑みを浮かべて亜優ちゃんに返信する。今亜優ちゃんが目の前にいなくて良かった。
こんな悪どい顔、とてもじゃないが、見せられない。

