シスコン兄の溺愛彼女

「つでぇ〜?紫音様は何にそんなにご機嫌斜めだったんだぁ〜?」 

綺麗な黒のカウンターでマティーニを飲みながら訪ねてくる、廣川。

ジンバックを一口飲み、横の男に視線を投げ、一連の流れを全て話す。



「っ、ぷぷッ、やべー無理!…っあはははは!!!」

カウンターに突っ伏して、笑い転げる廣川。

「何がおかしい?」

「お前、自分の異常性に気付いてねぇの?」

「俺は正常だ」

「いやいや、異常者だって!」
「何だよ~女神とかっ!!…はははっ!」

「俺の女神であり、妻があの鬼畜野郎に汚されたんだ。怒らないほうがおかしい」

「妻じゃなくて、知り合いかよくてお友達だろっ?」

「いずれ妻になるんだ、同じ事だ。」

「いやいや~、その前に女神ちゃん彼氏いねぇの?ちゃんと聞いたの?お前」

「家には男の気配はなかったけどな」

「ちゃっかり調べてんの怖ぇ~!!」

女神に彼氏…?もし、いたらどうする?どうやって別れさせる?俺から女神を奪おうとする憎き相手、必ず潰してやる。