シスコン兄の溺愛彼女

「なんだよ、うるせぇな〜。俺疲れてんだけど?」

『お前、俺の女を誘惑するなよ、いくらお前でも許さない』

「ん〜?俺の女?お前彼女いんのか?そんでその女が俺のファンって訳か」

『付き合ってねえ。まだ出会ったばっかりだ。けど、彼女はいずれ俺の妻になる女性だ。というかもう俺の中では妻だ。』

「はははッ!やべぇ〜付き合ってもない女を嫁呼ばわり!」

『とりあえず、二度と俺の女神を誘惑するな!いいな?』

「はいよ〜」


ブツッと、奴の怒り具合を表すかのように力任せに切れた通話。
あいつは昔から変な奴だったか、暫く会わねぇうちに更に変人に磨きがかかったらしい。

電話が煩かったのか、女がベッドから起き上がる。

「うるさいわねぇ〜誰?」

「俺の弟だよ。なんか女神がどうとか、誘惑だとか喚いてたな」

タバコを灰皿に押し付け、美しい女を組敷く。

「ふーん、変わってるのね、貴方の弟」

「頭のネジが全てぶっ飛んでんだよ。まともなネジなんかねぇ」

「それは、貴方もでしょ?」